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カテゴリー「コミュニケーション」の記事

2013年8月13日 (火)

プリンシプル4

皆さん、こんにちは。杉森です。

さて、プリンシプル の話の続きです。

前回までに、いろいろ論じてきましたが、要するに「プリンシプル」とは、言語及び論理でコミュニケーションをとる者同士の「共通基盤」だということです。

これは、以前述べた「英語の殺し文句」と同じようなものです。つまり、これを否定する者を説得することは「不能」だ、と言えるような概念です。

たとえば、もう1つプリンシプルの例を挙げると、法律がそうです。相手に対して「それは法律違反ですからやめてください」と説得するのは、「法律は守るべきだ」ということが前提になっています。だから「法律なんて守る必要はない」と言う相手には通用しない。プリンシプルが異なる者を、言語及び論理で説得することは不可能なのです。

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2013年8月10日 (土)

プリンシプル3

皆さん、こんにちは。杉森です。

さて、「神の概念がプリンシプルだということは分かった。しかし、本当にその神様は実在するのか?神が存在するなんて迷信じゃないのか?」という話でしたね。

これにも端的に答えると、私は「迷信でなく、神は存在する」と思うのです。

こんなことを言うと「こいつは新興宗教じゃないか?」な~んて引かれてしまいそうですが、そんなのではないので、まずはご安心を。

私は「神」というのは、「主観的な存在」だと思うのです。つまり、神は個人個人の心の中にいる。その人が「神はいる」と信じれば、その人にとっては神は確実に存在するのです。

説明します。まず「神」が現代の、かつ世俗の世界に存在している例です。皆さんは「天賦人権論」という考えをお聞きになったことがあると思います。これは「人間は生まれながらにして自由・平等であり、幸福を追求する権利がある。これは人間が神から直接に認められた権利であるから、支配者がこれを奪うことは許されない」という思想です。

この天賦人権論は、現代の自由主義・民主主義の支柱となっています。アメリカ独立宣言に「幸福を追求する権利」(right to pursuit of happiness)は挙げられ、日本国憲法13条にもそのまま受け継がれています。

この「人間には神からダイレクトにもらった人権というものがあるから、政府は人からこれを奪うことは許されない」というのをもっと噛み砕いていうと次のようになります。

たとえば、個人の家に、ある日突然ゲシュタポがズカズカと踏み込んできて、何もしていないお父さんを牢屋に連れて行き、拷問にかけて殺してしまったとします。

こんなことが、本当に私たちの身に起きては困ります。だから人権は尊重されなければならないわけですが、「困るから」だけでは説得力が弱いのです。そこで論拠として「神」が使われているわけです。

そうだとすると、現代社会に生きる我々も「神」によって守ってもらっている、と言えないでしょうか。だって「人権を侵してはならない」ということを論証しなければ、支配者に人権を侵害されてしまうかもしれない。その論証の根拠として「神」を使っているのですから。

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2013年8月 8日 (木)

プリンシプル2

皆さん、こんにちは。杉森です。

前回の続きです。なぜ「神様が言っていたからだ」という根拠が説得力を持つのか、というところでしたね。

端的に言ってしまうと、これは「神」という概念が「プリンシプル」だからです。つまり「神の言うことは絶対正しい」という大前提があるからこそ「王権神授説」は王権の根拠を有効に論証できるのです。

論理による説得のパターンとは、自分の主張を論証することです。自分の主張の正当性を示す方法はいろいろありますが、一般的なのはその道の権威を引っ張り出すことです。たとえば「自分はこう思う。有名な学者だって同じことを言っている」のようにです。

ここでもう1つハッキリさせておかなければならないことがあります。それは「神」という概念です。前回私が言ったように「絶対に正しい神様なんて迷信じゃないのか」という疑問です。実は、これにも2つ問題点があります。

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2013年8月 7日 (水)

プリンシプル1

皆さん、こんにちは。杉森です。

今回のお題は「プリンシプル」(principle)です。ちょっと長くなりそうなので、数回のシリーズにしたいと思います。

プリンシプル(principle)は、英和辞典によると「主義、信念、道、節操、原理、原則」などの訳語があてられます。

英英辞典によると、"a fundamental truth or proposition that serves as the foundation for a system of belief or behaviour or for a chain of reasoning"と定義されています。

例文として、"And yet, of course, our principles of fairness and justice must be upheld."(そして言うまでもなく、正義と公平という我々の信念は、貫かれなければならない)というのがあげられています。

つまり、プリンシプルとは「絶対にゆずれないもの、ブレないもの、精神のよりどころとなるもの」という意味ですね。

さて、以前私は「言語活動とは、つまるところ論理による説得である」というようなことを書きました。すると、このプリンシプルという概念は、説得の上でどのような意味を持つか、というのが問題になるのです。

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2013年8月 4日 (日)

挙証責任3

皆さん、こんにちは。杉森です。

まず、ちょっとだけ前回述べたことについて、補足したいと思います。

私は、前回の記事の最後で「英語より論理だ」というようなことを書きました。しかし、これは言葉自体の勉強の必要性を軽く見る、ということではありません。いかに論理的に優れていても、言語自体が通じなければ、伝わりようがありませんから。

ただ、外国語のレベルアップを図ろうと思ったら、いつかはこの論理の問題にぶち当たる、そして論理は異言語間だけでなく、同言語によるコミュニケーションにおいても同じ重要性がある、だから意識して学ぶべきである、という趣旨で申し上げたのです。

さて、挙証責任の話の続きです。

すでに申し上げたように "Why?" "Why not?" という挙証責任の押し付け合いは、決してフレンドリーなものではありません。これはもちろん日本語でも同じです。

ただ、「王権神授説」の記事のところで申し上げたように、言語には武器としての側面があります。言語による戦いの場面では、どうしても論理について知っておく必要があるのです。そうでないと、判断を間違ったり、自分の権利が侵害されたりするからです。

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2013年8月 3日 (土)

挙証責任2

皆さん、こんにちは。杉森です。

前回の続きですが、皆さんは「法律上の概念が、コミュニケーションと何の関係があるんだ?」といぶかっておいででしょう。実は、これがあるのです。

たとえば、私たちが子供の頃に友達と「ホントだって証拠あるか?」「ホントじゃないって証拠あるか?」などという言い合いをしたことがないでしょうか。これは「証拠」なんて言葉を覚えたてで、使ってみたい年頃の子がよく言うことです。

これは、よく考えてみると、両者がお互いに挙証責任の押し付け合いをやっているのですね。自分の主張することを積極的に説明するのはしんどい。一方で、相手の言うことにケチをつけるのは楽です。

相手の論証に欠点がある、ということを指摘するだけで、反対説である自分の主張が認められるなら、こんなにウマいことはない。英語でも "Why?" "Why not?" という言い合いが時々聞かれます。これも挙証責任の押し付け合いですね。「言い合い」ですから、あまりフレンドリーな雰囲気でないことは確かです。

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2013年7月31日 (水)

挙証責任1

皆さん、こんにちは。杉森です。

皆さんは「挙証責任」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。これは法律用語です。裁判で使う概念です。

正確な定義は「裁判所が真偽不明に陥ったときに、一方当事者が主張する事実がなかったものとみなされる一方当事者の不利益」とかいうのですが、普通の人はこれではまったくわかりませんね。

「挙証責任」は「立証責任」とも言います。これは、裁判において、事実について両当事者が争う場合に、両当事者のどちらがその事実の存在または不存在を立証しなければならないか、という責任のことです。

たとえば「貸したお金を返せ」という請求の裁判があったとします。この場合、訴えた側は「自分は相手にお金を貸した」という事実を主張します。それに対して、訴えられた側は「いや、借りたことはない」と争ったとします。

この場合、訴えた方(原告)が「お金を貸した」ということを証明しなければならないのか、それとも訴えられた方(被告)が「借りてない」ということを立証しなければならないのか、という問題が生じます。

裁判においては、ある事実が本当にあったか、ということは証拠で認定されます。しかし、それを認定する裁判所はあくまで第三者ですから、どちらのいうことが本当かわからなくなることがある。かりに、原告が借用証明書を証拠として提出しても、被告が「これは偽造だ」と言って筆跡専門家の鑑定を提出することだってある。

こんなとき、どうすればいいのでしょうか。裁判にするほどの争いは、非常に重大ですから、裁判所が適当に決めるわけにはいかない。では「裁判所はわっかりましぇ~ん。だから、当事者同士で話し合ってください」と言うわけにもいかない。

争いを解決するために裁判所があるのだから、裁判を裁判所が放り投げてしまうとすれば、何のために裁判所があるのかわからなくなります。そこで出てくるのが「挙証責任」という概念なのです。

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2013年4月22日 (月)

英語の殺し文句

皆さん、こんにちは。杉森です。

好評連載中の「通訳の技術3」の続きは、しばらく置いておいて、今日は「英語の殺し文句」のお話です。

この「英語の殺し文句」というのは、私の造語です。ここに書くのは、私が英語を学んでいて、気がついたことです。多分、私のオリジナルということになるでしょう。

さて、この「殺し文句」の意味ですが、とりあえず「その言葉が表す価値観を否定することが著しく困難な言葉」とでも定義しておきます。さて、これは具体的にどういうものでしょうか?

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2013年2月23日 (土)

コミュニケーションの要素

こんにちは、皆さん。杉森です。今日は私の失敗談をお話しします。結構まじめな話になってしまいます。

私が26歳の時です。私は会社の出張で新潟に行っていました。仕事の途中でゴールデンウィークになり、仕事が休みになりました。そこで、この機会をとらえて、かねてから行きたいと思っていた金沢へ旅行することにしました。

なぜ金沢へ行きたかったかというと、それは通訳案内士試験受験対策のためです。通訳ガイド試験は旅行プロの試験であり、ある程度旅行経験がないと感覚がつかめません。そして金沢は、重要な観光地でもあります。日本三庭園の1つである兼六園があります。九谷焼の産地でもあります。さらに北へ行けば、漆器の名産地である輪島があります。

当時、私はお金がなかったわけではありませんが、あえて貧乏旅行をすることにしていました。せっかく若いのだし、その方が味のある体験ができると思ったのです。そこで宿泊はユースホステルでした。

金沢ユースホステルで、私はオーストラリアから来た女性と知り合いました。日本語は全く話せません。私が英語を話せたので、彼女は地獄に仏のように感じたかもしれません。

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